光渦レーザー加工技術を用いた「中空マイクロニードル」を手掛けるシンクランド株式会社(神奈川県横浜市 代表取締役:宮地邦男、以下 当社)は、既存株主であるリアルテックファンド(東京都港区、代表業務執行役:永田暁彦)、AIS CAPITAL株式会社(東京都千代田区、代表パートナー:郭健)に加え、新たにシミックCMO株式会社(東京都港区、代表取締役CEO:松川誠、以下 シミックCMO)、株式会社dof(東京都港区、代表取締役:齋藤太郎)ほか個人投資家を割当先とする第三者割当増資を実施いたしました。これにより、りそな銀行からの融資と合わせて、総額約3.4億円の資金調達を完了しました。
当社は、光学設計・実装技術と高速電気信号処理技術をコア技術として、世界に先駆けて中空マイクロニードル※1を開発する研究開発型ベンチャー企業です。当社が開発する中空マイクロニードルは、千葉大学及び北海道大学により開発された光渦レーザー加工技術※2をベースとして、製造方法の工夫を行うことで実現した外径100μm以下の微細針です。体内で溶解する生体適合材料を用い、従来の注射薬や経口薬を無痛かつ簡便に投薬可能な経皮薬に置き換えることが出来る新たなDDS※3として、実用化開発を進めています。
※1 中空マイクロニードル…針の中心に空洞を形成する微細針
※2 光渦レーザー加工技術…特殊なレーザー光源で発生させた光の渦(光渦)を素材に照射することで加工する技術
※3 DDS…ドラッグ・デリバリー・システム。体内の薬物分布を量的・空間的・時間的に制御し、コントロールする薬物伝達システムのこと。
今回の資金調達を基に、医薬品製造受託大手のシミックCMOとの資本提携を通じて、当社の中空マイクロニードルを用いたDDS技術開発や技術ライセンス供与による事業化を目指します。
なお、当社では18年11月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成30年度「研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップに対する事業化支援(以下 本助成事業)」の採択と合わせて、シミックCMO等との共同研究契約締結を発表しております。今回の資金調達は、本助成事業における共同研究に加え、事業化に向けた実用化開発を加速するものです。