肖敏捷の中国メモ:2019年の最大のサプライズ予想は中国景気の反転
「明日の事を言えば鬼が笑う」。同様、中国経済について楽観的なことを言えば必ず笑われる。現状では、株価や不動産、製造業、貿易、雇用など、これといった明るい材料が見当たらず、筆者を含めて、悲観的な方向へ傾きやすいのはやむを得ない。短期的のみでなく、長期的にも米中の経済冷戦が叫ばれる中、中国について慎重かつネガティブなスタンスを維持することは無難かもしれない。
12月5日にホテルオークラで開催された年末エコノミスト懇親会では、安倍首相はあいさつの中で「エコノミストの皆さんの予想はどうせ外れるので、せめていい方向に外してもらいたい」といったようなコメントを述べた。当然、自信に満ちた安倍首相らしいこのユーモアが会場から爆笑を誘い、効果抜群だった。安倍首相から約二、三メートルを離れたところに立っていた筆者がこのジョークに触発され、中国について悲観的な見方が飛び交っている中、本当に明るい材料がないのか、考え込んでしまった。
新年にあたり、サプライズ予想をするのはエコノミストの間で恒例となっているが、「どうせ外れるならいい方向へ外そう」という発想から、2019年のサプライ予想として、「アメリカ経済がどこまで悪化するのか、中国経済がどこまで好転するのか」というシナリオを取り上げたい。アメリカ経済について筆者は素人なので専門家に任せるが、中国経済について好転するシナリオを提示したのは、決して精神論や能天気ではなく、その根拠は下記の通りだ。
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年末に近づくにつれ、来年の中国経済に関する見通しが次々と発表されている。全般的には、2018年の景気減速基調を受け、2019年について実質GDP成長率見通しの引き下げをはじめ、悲観的な見方が広がっているのは実情だ。この流れから、2019年3月に開催される予定の全人代では、中国政府が6.5%という成長率目標の下方修正に踏み切っても不思議ではない。筆者からみれば、成長率目標が国際公約ではないから、メンツのためにその縛りを受け続ける必要がない。むしろ、成長率目標の縛りから解放されたら、当局はもっと柔軟に九蔵的な問題解決に専念できるだろう。
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2018年11月22日:中国が直面する「7羽のブラック・スワン」